我々は、これまでにサイトメガロウイルス(CMV)や水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染を迅速に検出できるレポーター細胞株を用いて化合物ライブラリーから各ウイルスに有効な化合物を数種類ずつ同定した。本研究では同定化合物の作用機序を解析し、1)抗VZV化合物45B5がORF54がコードするポータル蛋白を標的とし、カプシドからウイルスDNAを核内に注入する過程を阻害すること、2)両ウイルスに効果のある133G4がウイルス前初期蛋白による転写活性化を、おそらく宿主因子を介して阻害すること、3)抗CMV化合物35C10は、CMVの細胞内侵入から前初期蛋白発現の間の過程を阻害すること、などを明らかにした。
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