研究課題
E型肝炎ウイルス(HEV)の細胞での増殖系が近年確立されたが、一方でウイルス感染に関与する宿主側因子や、ウイルスの細胞内複製機構についてはいまだに解析が進んでいない。我々は本研究で、感染性HEVクローンの取得と、これを用いてルシフェラーゼをレポーター遺伝子として持つレプリコンの構築に成功した。これらの感染性クローンとレプリコンを用いて、HEVの複製増殖機構や病原性発現機構の解明を目指した。HEVの非構造蛋白であるORF1全長及びプロテアーゼと推定される領域を、コムギ胚芽無細胞蛋白発現系で発現させたところ、ORF1からはプロテアーゼ活性が検出できた。プロテアーゼの活性中心残基に変異を導入すると複製しなくなることも明らかとなり、プロテアーゼ活性はHEVの増殖に必須であることが示されたが、ORF1のプロセシングは観察されなかったことから、本プロテアーゼは宿主に働いている可能性があることが示唆された。レプリコンを用いて複製増殖を阻害する薬剤のスクリーニングを行った。複数の化合物ライブラリから合計3000以上の化合物のスクリーニングを行い、強い活性を持つ化合物17を同定した。それらの一部は共通の生理活性を有することが判明した。これらの作用機序がHEV複製増殖に及ぼす影響について検討を進めている。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 2件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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