鳥インフルエンザウイルスがヒトに効率よく感染するためには、そのヘマグルチニン(HA)蛋白質のレセプター特異性が鳥型からヒト型に変化する必要がある。本研究では、ヒト型レセプターを認識するのに必要な変異がH1、H2及びH3 亜型の鳥ウイルスHA蛋白質の安定性に影響するのかどうかを調べた。その結果、H1亜型では、レセプター特異性変換変異がHAの安定性をわずかではあるが低下させることがわかった。一方、H2及びH3亜型では、HAの安定性にほとんど影響しないことがわかった。このことは、H2及びH3亜型の鳥ウイルスがヒト型レセプターを認識するのに必要な変異を獲得しやすい特性を有していることを示唆している。
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