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2015 年度 実績報告書

新規分子の探索を中心とした核酸認識系TLR応答制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460585
研究機関東京大学

研究代表者

福井 竜太郎  東京大学, 医科学研究所, 助教 (60554508)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード自然炎症 / I型インターフェロン / ファンクショナルクローニング / sgRNAライブラリ / ゲノム編集 / 連鎖解析 / TLR7
研究実績の概要

本研究においては、Unc93 homolog B1 (Unc93B1)によるToll-like receptor 7 (TLR7)とTLR9の応答制御メカニズムの解明と、応答制御メカニズム破綻時に見られる致死的な自然炎症に関わる調節因子の探索を目指した。
前者に関しては、shRNAライブラリとレポーターアッセイを用いたファンクショナルクローニングによって、TLR7の応答性を抑制する分子の探索を行った。TLR7の応答性を抑制するshRNAの配列が複数得られたものの、これらはオフターゲット効果によるものであった。そこで、使用するライブラリをsgRNAライブラリに変更し、CRISPR/Cas9によるノックアウトに切り替えた。この実験系は非常に効率が良く、TLR7の応答に必要な分子を先行してノックアウトしたところ、既知の分子がすべて同定された。また、ノックアウトすることによってTLR7の応答性を亢進させる分子も同定されてきており、今後の発展が期待される。
後者に関しては、全身性の炎症を自然発症するUnc93B1にD34A変異を持つマウス(D34Aマウス)について、C57BL/6系統とBALB/c系統との間で表現系が異なることを利用し、連鎖解析を行った。その結果、BALB/c系統についてはD34Aマウスの応答性を抑制する遺伝子座が示唆された。ただし、関連遺伝子座の領域が広いことから遺伝子を絞り込むことは困難であった。
そこで、網羅的な連鎖解析と並行する形で、現在までに関与が示唆されたインターフェロンやサイトカインを欠損させたD34Aマウスの作製を行い、表現系に与える影響を検討した。結果として、I型インターフェロンのシグナルがB細胞や特定の樹状細胞サブセットにおけるTLR7の発現を維持し、D34Aマウスの表現系に関与していることが明らかとなった。これまでにI型インターフェロンがB細胞のTLR7発現に関与していることは知られていたが、樹状細胞に関しては未知であり、新しい知見がもたらされたと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Type I IFN contributes to the phenotype of Unc93b1D34A/D34A mice by regulating TLR7 expression in B cells and dendritic cells.2016

    • 著者名/発表者名
      Ryutaro Fukui, Atsuo Kanno, and Kensuke Miyake.
    • 雑誌名

      J. Immunol.

      巻: 196 ページ: 416-427

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1500071

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] I型インターフェロンはB細胞と樹状細胞のTLR7発現を維持し、TLR7の過剰応答による致死的な炎症に関与する.2015

    • 著者名/発表者名
      福井竜太郎, 菅野敦夫, 三宅健介.
    • 学会等名
      第80回日本インターフェロン・サイトカイン学会学術集会
    • 発表場所
      東京工業大学蔵前会館
    • 年月日
      2015-07-17 – 2015-07-18
  • [備考] 感染遺伝学分野ホームページ・発表論文

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/kanseniden/public/

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公開日: 2017-01-06  

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