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2013 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病のモデルマウスを用いたT細胞介在性慢性炎症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460598
研究種目

基盤研究(C)

研究機関順天堂大学

研究代表者

田平 武  順天堂大学, 医学部, その他 (80112332)

研究分担者 松本 信英  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432950)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアルツハイマー病 / 炎症 / アミロイド / T細胞
研究概要

アルツハイマー病の発症機序に炎症反応が重要であることが分かってきた。炎症反応にはアミロイド等の凝集体に対する原始免疫反応を介するものと、獲得免疫を介するものがある。アルツハイマー病のワクチン療法の治験では自己免疫性と思われる脳炎が多発したため治験は中止になったが、これはアミロイドベータ蛋白(Abeta)に対するT細胞を介する炎症反応により引き起こされたためである。即ち自己であるAbetaに反応するT細胞は発生段階で除去されることなく成人でも存在し続け、抑制性T細胞により抑制されていると考えられる。加齢により抑制性T細胞の機能が減弱すると、Abeta反応性T細胞が活性化され、アルツハイマー病脳における炎症反応に関わってくると考えられる。本研究はマウスを用いてAbeta反応性T細胞をクローニングし、アルツハイマー病のモデルマウスTg2576やTriple Tgに移入してアルツハイマー病の促進機序を明らかにすることを目的とする。Tg2576マウスやTriple TgマウスはH2-bであるため、C57BL6(B6)を用いる必要がある。そこで野生型C57BL6マウスをAbetaとFreund 完全アジュバントで免疫し、T細胞株を樹立する実験を開始した。しかし、所属リンパ節を採取し抗原Abetaで刺激したが、増殖反応すら見ることができなかった。B6マウスではAbetaに対するT細胞免疫反応は強力に抑制されていることが分かった。B6マウスをAbetaで免疫して脳炎を引き起こしたとする論文が2つあるが、恐らくstrainの差によると思われる。この結果は十分予想されたので、インターフェロンガンマ(IFN-g)トランスジェニックを作成し、遺伝的背景をH-2bにそろえつつある。次年度はIFN-gマウスを使いさらにCD25抗体等を組み合わせてAbeta反応性T細胞株を樹立する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

B6マウスをAbetaで免疫して脳に炎症を引き起こしたとする論文が2つあったので、野生型B6マウスで本実験が可能と思っていたが、B6マウスは予想以上にAbetaに対しtolerantであった。しかしこれを予想してインターフェロンガンマトランスジェニックマウスを作成してきたので、これを使えば脳炎を惹起できるものと思われる。

今後の研究の推進方策

インターフェロンガンマトランスジェニックマウスの遺伝的背景をもう少しB6にすれば本実験に使用できると思われる。次年度はこのマウスを用い、さらに抑制性T細胞をCD25抗体で落とすことによりAbeta反応性T細胞株を樹立できると考えている。

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公開日: 2015-05-28  

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