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2015 年度 実績報告書

アセチル化によるIL-7受容体シグナル制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460600
研究機関東邦大学

研究代表者

桑原 卓  東邦大学, 医学部, 講師 (40385563)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードサイトカイン情報伝達 / アセチル化 / 分子修飾
研究実績の概要

増殖因子やサイトカインと結合した受容体はその細胞質内領域でチロシンキナーゼの活性化がおこる。受容体自身のリン酸化チロシン残基は情報伝達分子の結合部となり、下流にシグナルを伝達する。この情報伝達過程におけるリン酸化以外の分子修飾について解析を進めた。

T細胞株CTLL-2細胞をインターロイキン-2(IL-2)で刺激した系をモデルした。昨年度までに、これまで知られているようなチロシンキナーゼJak1やJak3および転写因子STAT5のリン酸化だけでなく、これらの分子がリン酸化に数分遅れてアセチル化されていることを見出した。さらにSTAT5はアセチル化に依存して転写活性化領域が限定消化されていることも明らかにした。次にSTAT5のアセチル化に至る分子機構を解析した。IL-2受容体β鎖から発信されるアダプター分子Shcを介したMEK/ERK経路が核に伝達され、これに応答してアセチル化酵素CBPが核から細胞質へ局在変化していることを見出した。CBPはIL-2受容体に結合しJakやSTAT5をアセチル化していることが判った。STAT5やJaksのアセチル化がリン酸化に数分遅れることはCBPの細胞質輸送に要する時間であることが示唆された。IL-2依存性のERK活性による核ー細胞質輸送系が刺激され、CBPが核外へ輸送されることを示唆する結果も得られた。

サイトカイン情報伝達系において、これまで詳しく明らかにされてきたリン酸化カスケードに、細胞質アセチル化がクロストークしていることを部分的に明らかにした。これまであまり知られていなかった細胞質アセチル化が情報伝達系を制御する意義のある現象であると考えている。一連の結果を投稿中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] SATB1plays a critical role in establishment of immune tolerance2016

    • 著者名/発表者名
      Kondo M., Tanaka Y., Kuwabara T., Naito T., Kohwi-Shigematsu T., and Watanabe A.
    • 雑誌名

      Journal of Immunology

      巻: 196 ページ: 563-572

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1501429

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Nuclear protein SATB1 is required for development of experimental autoimmune encephlomyelitis2015

    • 著者名/発表者名
      Akiba Yasushi、 Taku Kuwabara、Yuriko Tanaka、Taku Naito、and Motonari Kondo
    • 学会等名
      The 44the annual meeting of the japanese society for immunology
    • 発表場所
      札幌市 札幌コンベンションセンター (北海道)
    • 年月日
      2015-11-20
  • [学会発表] Analysis of signaling on CD180-positive B cells activated by radiation2015

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Fujita、Taku Kuwabara、Yoshiya Tome、and Kei Ito
    • 学会等名
      The 44the annual meeting of the japanese society for immunology
    • 発表場所
      札幌市 札幌コンベンションセンター (北海道)
    • 年月日
      2015-11-20
  • [学会発表] Acetyltransferase CBP modulates interleukin-2 receptor signaling2015

    • 著者名/発表者名
      Taku Kuwabara and Motonari Kondo
    • 学会等名
      The 44the annual meeting of the japanese society for immunology
    • 発表場所
      札幌市 札幌コンベンションセンター (北海道)
    • 年月日
      2015-11-18
  • [学会発表] SATB1欠損による自己免疫疾患発症機序の解析2015

    • 著者名/発表者名
      田中ゆり子、桑原卓、秋葉靖、Terumi Kohwi-Shigematsu、近藤元就
    • 学会等名
      第25回Kyoto T cell conference
    • 発表場所
      京都大学 芝蘭会館(京都府京都市)
    • 年月日
      2015-05-15

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公開日: 2017-01-06  

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