研究課題
基盤研究(C)
乳がん個別化医療における治療方針決定支援技術の経済評価研究の初年度の研究活動として、まず、治療方針決定支援技術として国際的に最も研究が進んでいる多遺伝子アッセイの経済評価のレビューワークを行った。自ら日本からの報告として発表してきている21遺伝子アッセイ(Oncotype DX(R))や70遺伝子アッセイ(MammaPrint(R))の経済評価例(Kondo et al. Breast Cancer Res Treat. 2012 Jun;133(2):759-68、Kondo et al. Breast Cancer Res Treat. 2012 Jun;133(2):759-68)などを中心にまとめて「乳癌の臨床」誌に発表した。また、経済評価のオリジナルワークとしては、当初、自身も開発に参加してきている治療方針決定支援技術としての乳がんの予測モデルのうち、術前科学療法の効果予測モデルと腋窩リンパ節転移予測モデルの経済評価を計画していたが、より経済インパクトの大きいHer2陽性乳がんへのトラスツズマブ術前化学療法の効果予測モデルの開発が進んだため(Takada et al. Breast Cancer Res Treat. 2014 May;145(1):143-53)このモデルに基づく経済評価を進めることとして着手している。また、関連して、乳がん予防方針決定支援技術の経済分析として乳がん個人リスク別化学予防意思決定に関する調査を行った。これらの研究は、癌撲滅や医療費適正化などの社会目標の中で大きな期待をされているがん医療の個別化の先進的領域における研究として位置づけることができる。
2: おおむね順調に進展している
経済評価のオリジナルワークとして対象とする治療方針決定支援技術の研究開発は速度が速く、経済インパクトの大きい新技術をタイムリーに対象とする形で経済評価が進められているから。
Her2陽性乳がんへのトラスツズマブ術前化学療法の効果予測モデルに基づく治療方針決定支援技術の経済評価をまとめ成果を発表する。関連研究として、乳がん個人リスク別化学予防意思決定の経済モデルを構築し成果を発表する。
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Breast Cancer Research and Treatment
巻: 45 ページ: 143-153
10.1007/s10549-014-2907-9
乳癌の臨床
巻: 28 ページ: 365-373