研究課題/領域番号 |
25460612
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金子 英司 東京医科歯科大学, 医歯学教育システム研究センター, 准教授 (10302853)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 老年医学教育 / シミュレーション教育 / アンケート調査 / 反転授業 / パソコンソフト / 高齢者 / 模擬患者 / 認知症 |
研究実績の概要 |
老年医学教育に関する調査研究とシミュレーション教材の開発研究を行った。 全国80医科大学・医学部に対する老年医学教育の内容の調査として、2014年12月に各医科大学医学部にアンケートを送付して、得られた結果を解析した結果、老年医学を専門に教育する部門のある大学は10年間で30%から21%に減少していることが分かり、6月の日本老年医学会総会の会頭講演の中で発表した。 出身大学別の研修医の学習到達度調査に関しては、2014年と2015年にアンケート調査を行った結果、老年科のある大学では老化の機序や高齢者総合機能評価などが良く教育され、自己評価の理解度も高いことが分かった。この内容を7月の日本医学教育学会大会で発表した。 老年医学シミュレーション教育に関しては、医学科4-5年のプレクリニカルクラークシップの老年医学実習において、認知症シミュレータを新たに導入して実習を実施し、その教育効果についての学生アンケート調査を行ない、認知症高齢者に対する理解が深まり教育効果が高いことがわかった。この内容を6月の日本シミュレーション医療教育学会で発表した。 本学倫理委員会の承認を得て、2016年2月に医学科3年生の希望者等を対象として、反転授業の教育効果および模擬患者の年齢と高齢者医療面接の教育効果の関係に関する調査研究を行なった。その結果、反転授業の有効性と初回の医療面接の際の模擬患者の年齢が重要であるという結果を得た。現在、この結果を詳細に解析中であり、その一部を2016年7月の日本医学教育学会で発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
全国80医科大学・医学部に対する老年医学教育の調査、出身大学別の研修医の学習到達度調査、老年医学の認知症シミュレーション教育に関する研究については、順調に調査研究が進み、国内外での学会発表も行ったが、論文発表には至っていない。医学生に対する反転授業および高齢者医療面接実習の教育効果を調べる研究において、倫理委員会の承認を得る手続きに時間がかかり、また学生の講義スケジュールの関係等で、承諾を得て研究に参加してもらう学生の募集にも時間がかかり、想定していた学生数を確保することが難しかった。そのため、研究の実施が2015年度末になり、その結果の解析と発表が2016年度まで遅れることになった。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、2015年度末に実施した医学生に対する反転授業および高齢者医療面接実習の教育効果を調べる研究の調査結果を解析中であり、追加の調査研究を検討中である。また、老年医学に関する医科大学・医学部の全国調査結果、研修医の学習到達度調査、認知症シミュレータに関する学生アンケート調査の結果等の学会および論文発表を早急に進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
医学生に対する反転授業および高齢者医療面接実習の教育効果を調べる研究において、倫理委員会の承認を得る手続きに時間がかかり、また学生の講義スケジュールの関係等で、承諾を得て研究に参加してもらう学生の募集にも時間がかかり、想定していた学生数を確保することが難しかった。そのため、研究の実施が2015年度末になり、その結果の解析と発表が2016年度まで遅れることになった。
|
次年度使用額の使用計画 |
現在、2015年度末に実施した医学生に対する反転授業および高齢者医療面接実習の教育効果を調べる研究の調査結果を解析中であり、追加の調査研究を検討中である。また、老年医学に関する医科大学・医学部の全国調査結果、研修医の学習到達度調査、認知症シミュレータに関する学生アンケート調査の結果等の学会および論文発表を早急に進める。残された経費はこれらの追加調査、学会および論文発表に使用する。
|