研究課題/領域番号 |
25460617
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 富雄 大阪医科大学, 医学部, 特別任命教員教授 (50343207)
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研究分担者 |
錦織 宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10463837)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医学教育 / 海外留学 |
研究実績の概要 |
今年度は、当初より数年間かけてこれまですすめてきた「医師の利他的行為の背景にある要素に関する研究」の成果に対する論文化、および「利他主義の新たな教育的方略の創出」に関する実際の現場での展開の二点に関して、共同研究者や研究協力者とともに議論を継続してきた。研究成果の論文化に関しては、ヨーロッパおよび米国の医学教育を背景とする世界的に評価の高い数種の英文誌に投稿を試みてきたが、日本を含むアジアと欧米の利他的行為の背景にある文化的な差異と本研究の質的分析の研究論そのものに関しての異議を受け、このままでは評価の高い医学教育英文誌に受理されるのは難しいと認識するに至っている。この間海外の医学教育研究者及び質的研究者とも何回か議論を重ねた結果、当初の論文の骨子から少し離れた形で、このテーマに関しては構築を変えて現在再執筆中である。またイギリス、オランダなどの欧米の医学教育研究者との議論の中で、彼らの経験から文化背景の異なった環境で遭遇しうる、ある程度の困難を克服しながらの挑戦的学習、例えば卒前教育における海外留学などのカリキュラムが、自らの置かれた立ち位置の振り返りにつながり、向社会的で利他的な行為への志向を基盤としたプロフェッショナリズムの涵養になるとの指摘もあった。その議論をさらに進め、新しい研究方向の展開として、本邦の卒前医学教育における海外留学のカリキュラムの実態調査を開始し、量的研究と質的研究の両方の観点を生かした混合研究の形でまとめていく予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまでの質的研究の成果の論文化を進めてきたが、日本を含むアジアと欧米の利他的行為の背景にある文化的な差異と、本研究の質的分析の研究論そのものに関しての異議を受け、このままでは評価の高い医学教育英文誌に受理されるのは難しいと認識するに至っている。
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今後の研究の推進方策 |
この間海外の医学教育研究者及び質的研究者とも何回か議論を重ねた結果、当初の論文の骨子から少し離れた形で、このテーマに関しては構築を変えて現在再執筆中である。またイギリス、オランダなどの欧米の医学教育研究者との議論の中で、彼らの経験から文化背景の異なった環境で遭遇しうる、ある程度の困難を克服しながらの挑戦的学習、例えば卒前教育における海外留学などのカリキュラムが、自らの置かれた立ち位置の振り返りにつながり、向社会的で利他的な行為への志向を基盤としたプロフェッショナリズムの涵養になるとの指摘もあった。その議論をさらに進め、新しい研究方向の展開として、本邦の卒前医学教育における海外留学のカリキュラムの実態調査を開始し、量的研究と質的研究の両方の観点を生かした混合研究の形でまとめていく予定となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでの質的研究の成果の論文化を進めてきたが、日本を含むアジアと欧米の利他的行為の背景にある文化的な差異と、本研究の質的分析の研究論そのものに関しての異議を受け、このままでは評価の高い医学教育英文誌に受理されるのは難しいと認識するに至っている。論文化が進まないのでそれを基盤にした次の段階にうまく移行できず、使用予定額執行に至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
このテーマに関しては構築を変えて現在再執筆中である。またイギリス、オランダなどの欧米の医学教育研究者との議論の中で、彼らの経験から文化背景の異なった環境で遭遇しうる、ある程度の困難を克服しながらの挑戦的学習、例えば卒前教育における海外留学などのカリキュラムが、自らの置かれた立ち位置の振り返りにつながり、向社会的で利他的な行為への志向を基盤としたプロフェッショナリズムの涵養になるとの指摘もあった。その議論をさらに進め、新しい研究方向の展開として、本邦の卒前医学教育における海外留学のカリキュラムの実態調査を開始し、量的研究と質的研究の両方の観点を生かした混合研究の形でまとめていく予定となっている。
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