| 研究課題/領域番号 |
25460618
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
北田 雅 京都大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (00422949)
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| 研究分担者 |
後藤 励 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10411836)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 新医師臨床研修制度 / 初期研修医 / 経済的損失 |
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| 研究実績の概要 |
新医師臨床研修制度により、基本診療科を網羅する診療科巡業形式の研修が必修化された。未熟な診療知識・技術等に加え、巡業診療科毎のシステム/人間関係への適応不順による精神的負担等が重なり、研修医の４割程度が少なからずうつ傾向に陥る事が知られている、看護師においても、診療報酬改定により「入院患者７：看護師１」の新基準が求められている一方で、メンタルヘルス問題が立ち去り型サボタージュ問題に影響している可能性が示唆され、新卒看護師の早期離職率は8.9％と9人に1人の割合となっている。本研究は、医療従事者のメンタルヘルス問題による経済的損失の分析と共に、うつ関連症状から欠勤に至る初期研修医・新人看護師の研修指定病院へのアンケート調査によるメンタルケアの予防・対策法を呈示し、経済・社会学的な観点からの問題提起を行う事を目的とする。病床数100床以上・以下の市中病院で研修医のマッチング率が大きく違う（大別してそれぞれ50％以上、20％未満）という事実が示されている。すなわち病床数100床以上/未満という条件で研修医の充足率が大きく異なっている事から、経済的損失についてもこの条件の認識が一般的に存在するが、実のところ試算はほとんど行われていない。臨床研修指定病院のうち自治体病院について、その経営状態についての情報が公開されている。昨年度は、これに基づき、新医師臨床研修制度施行が研修指定病院の経営状態に与える影響について、研究分担者である後藤励氏と共に臨床研修指定病院と非指定病院の経営状態を新制度施行前後でそれぞれ比較することにより分析を行った。
また、昨年に引き続き、EPOC内に集積されている研修医コメントと指導医・指導看護師の評価を集計し、研修医・新卒看護師の性格特性と問題行動を生じた研修医・新卒看護師の傾向に一定の関連性が存在するかについて、連携研究者である菅佐和子氏と共同で行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度までに実施を予定していた初期臨床研修医・新卒看護師の欠勤、離職による経済的損失の分析、新医師臨床研修制度下における臨床研修指定病院の経営分析、指導医・指導看護師からの評価分析による性格－問題行動の関連性分析については、概ね計画通り達成することができたためである。
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| 今後の研究の推進方策 |
昨年度までに行った３つの分析（初期臨床研修医・新卒看護師の欠勤、離職による経済的損失の分析、新医師臨床研修制度下における臨床研修指定病院の経営分析、指導医・指導看護師からの評価分析による性格－問題行動の関連性分析）については、分析を継続し、指導医や指導看護師からの評価内容を参照しながら、入職時の性格と問題行動の分析を深める。上記は、それぞれ研究分担者後藤励氏、ならびに連携研究者である菅佐和子氏と共に行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の研究（初期臨床研修医、新卒看護師の欠勤、離職による経済的損失の分析、新医師臨床研修制度下における臨床研修指定病院の経営分析、指導医・指導看護師からの評価分析による、性格－問題行動の関連性分析）については、全て大学運営費にて賄うことが可能となったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
独自の研修システムを備え、毎年確固たる実績を挙げている国内外のモデル病院及びその協力関連病院において、初期臨床研修医の後期臨床研修医の定着率、後期臨床研修医採用実績や新卒看護師の定着率について、意見交換を行いたいと考えている。これにより、心理的側面を勘案した研修プログラムや心理的サポートの施策について、具体的検討を行う。現在、マッチングデータ等を勘案し、共同研究者と共にヒアリング先等について検討中である。
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