研究課題
基盤研究(C)
本研究では、がん患者において、がん診療に対しての全人的・包括的な「満足度」を規定する因子を明らかにすることで、患者中心で、かつ、がんとの共存時代に向かうがん医療の現場における今後の重点課題を抽出することを目的とした。①がん相談支援センターにおける相談事例の解析:名古屋市立大学病院がん相談支援センターでの患者相談事例記録から、個々の患者の抱える「不満」、問題点について解析、全人的・包括的な「満足度」に関わる規定因子となりうるカテゴリーを分類することができた。本結果は、「満足度調査アンケート」作成にあたり基礎資料の一部として活用できることになった。②がん患者に対する全人的・包括的な「満足度」に関わるアンケート調査:アンケート内容の検討:多職種医療者、有識者により、がん患者の「満足度」に関わる因子について検討会を2回開催し、作成するアンケートの骨子について検討した。そこでは、QOL、満足度、といったキーワードに基づき、本邦における先行研究を十分調査し、包括的要約を作成することにした。先行研究のリスト化が完了し、その解析の役割分担とまとめ方について決定した。③がん診療に携わる医療者に対する「満足度」に関わるアンケート調査:医療者への「満足度」にかかわる実地インタビューの計画を行った。結果、対象者として、特に看護師を中心にインタビュー形式で聞き取り調査を行い、質的調査のうえで、「満足度」に関わるキーワードの構造化と要約により解析することとなった。
2: おおむね順調に進展している
①がん相談支援センターにおける相談事例の解析についてはおおむね計画通りに解析を実施した。②がん患者に対する全人的・包括的な「満足度」に関わるアンケート調査については、先行研究の要約に予想以上の時間がかかり、アンケート開始に至らず、平成26年度に予定となったが、先行研究の解析は今後の研究の基礎となるため、十分な吟味期間が必要と判断し、その解析に専念し進めることができた。③がん診療に携わる医療者に対する「満足度」に関わるアンケート調査についてはインタビュー形式での調査の準備が整った。
①がん相談支援センターにおける相談事例の解析:おおむね計画通りに解析が進んでおり、結果をアンケート調査に生かせる見込みができた。②がん患者に対する全人的・包括的な「満足度」に関わるアンケート調査については、先行研究の解析を平成26年度の上半期には終了し、アンケート調査の開始を予定する。③がん診療に携わる医療者に対する「満足度」に関わるアンケート調査についてはインタビュー形式での調査の準備が整ったため、看護部門と連携してその調査を開始できる予定である。
先行研究の詳細な解析に重点を置いたことで、アンケート実施まで本年度は至らなかったため、実費費用が軽減した。次年度はアンケート実施、解析を予定することで、研究費用が増加することが考えられ、その費用に充てる。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (13件)
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