研究課題/領域番号 |
25460633
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
円谷 彰 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (00236936)
|
研究分担者 |
浦松 雅史 東京医科大学, 医学部, 講師 (00617532)
相馬 孝博 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会(臨床研究施設・研究部門), 副院長室, 副院長 (90262435)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 非専門的技能 / 外科医 / NOTSS / 国際情報交換 / ヒューマンファクター |
研究概要 |
本研究では医療分野における外科医の「非専門的技能」に着目し、外科医の資質の向上を促すプログラムの構築するこを目的とする。平成25年度は、既存の方法論とその評価基準の検討と、外科領域における方法論Non-Technical Skills for Surgeons: NOTSSの検討を行った。 1)近年、デバイスや機器のイノベーション、エビデンスに基づく薬物療法や集学的治療の急激な進歩等により、医療システムの複雑さ、特に相互作用の多様化が進み、医療の潜在的なリスクは増加している.このような状況は航空産業とほぼ同様の状況にあり、ほとんどの航空機事故にヒューマンファクターが関与していることが判明し、安全確保のためにリソース(人・機器・情報等)を有効利用するためCrew Resource Management (CRM)が導入・義務化され今日に至っている。CRM的手法における非専門的技能は外科領域におけるそれとほぼ同様で、医療においても同様の評価および教育システムを整備してゆく必要があると考えられる。医師や看護師等多職種へのアンケートでは,外科医の心配な行動として多くは手術室内での行動が挙げられたが,3割程度は手術室以外または入室前後での認知・行動に関するものであった。最も多かったのはコミュニケーションとチームワークに関するもので、特に威圧的な態度と対話によるコミュニケーション不足によりチームパフォーマンスが阻害されるとの認識が多職種より聞かれた。また、医療分野の「非専門的技能」の代表的な研究者であり、NOTSS開発の中心的存在である、ハーバード大学のSteven Yule教授にも研究経過を報告、またハーバード大学における会議やNOTSSの教育システムの視察を行い、知見を共有することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
方法論の評価のための情報収集と国際情報交換はほぼ予定通りに進行している。最終解析に関しては、資料や情報を統合して行う予定。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、観察分析、イベント分析、認知タスク分析などに関して、前年度と同様に手法の検討およびその具体的なプロトコルに関しての検討を行う。観察研究に関しては、「非専門的技能」に限定しない場合、医療分野とくに外科技能の把握に関しては、これまで様々な考え方や試みが提示されており、これらも含め検討を行うこととする。イベント分析に関しても先の「Non-Technical Skills for Surgeons: NOTSS」などにおける知見を中心に、その方法論の検討を行う。「非専門的技能」を同定するための複数の方法論に関する整理と、実際に「非専門的技能」の同定を試みる準備を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ハーバード大学での会議費用を別の研究費で支給。 本年度は、最終解析のために、ハーバード大学および国内での会議を数回行う予定。 解析に関しての人件費も新たに必要となる予定。
|