研究課題/領域番号 |
25460636
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (50537363)
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研究分担者 |
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
北澤 健文 東邦大学, 医学部, 助教 (30453848)
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 講師 (50288023)
藤田 茂 東邦大学, 医学部, 助教 (50366499)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医師受給 / 官庁統計 / 医療従事者 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、厚生労働省及び職能団体である医師会担当理事へのヒアリング調査を実施した。現状の医師偏在の問題点を明かにするとともに、今後の政策的な動向についてあわせて検討をおこなった。愛知県の現状についてのヒアリング調査からは、医師数は増加傾向にあるものの、僻地と都市部での差があること、女性医師が増加していることから医師の不足感があることが明らかとなった。 医師・歯科医師・薬剤師調査のデータを用いて、外科、内科、その他の診療科に分類し、1970年代以降に医籍登録した医師を年代別、性別にコホートを作成し卒後の勤務先等についての検討を行った。男性医師は、1970年代・80年代は卒後20年頃から、内科系の割合が40%を超え始めると同時に、病院勤務が60%を下回り始めており、外科系から内科系が増加するタイミングが、病院から診療所へ移行するタイミングと重なることが明らかとなった。勤務先の検討からは男女ともに医籍登録年代が若いほど大学病院にとどまる割合が増加し、医療の高度化により医師のトレーニング期間が延長し、大学病院勤務の長期化になっていること、女性医師は復職先に大学病院を選択する傾向にあり、これは復職プログラムの整備が要因と考えられることが示唆された。診療所の割外が減少したことから、また、医学部を卒業した後の医師のキャリアパスについて、前期・後期臨床研修の研修内容について事例調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療従事者偏在の時系列分析については、現在行っているところであるが十分な解析を行うことができておらず、次年度も継続して解析を行う必要がある。また、医師不足地域へのヒアリングの質問項目は作成でき、ヒアリング調査を行ったが、当初予定していた数の都道府県に実施できなかったため、全体として後行程にずれ込みが生じている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、引き続き(1)医師偏在の時系列分析、(2)医師不足地域へのヒアリング、(3)医療需要の将来予測と医師偏在についての調査分析を継続的に実施していく。 本年度は国内の学会で1件発表を行った。次年度は研究成果を国内の学会に1件採択されており発表を予定している。また、論文も1件投稿したところである。今後も学会発表と論文の執筆を行っていく予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
官庁統計の個票データを入手するのに時間を要し、分析に予定していた以上の時間を要した。医師不足地域へのヒアリング調査を当初予定した数の都道府県に実施することができず残額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、残金を国内のヒアリング、国内学会の成果の報告にかかる費用に充当する。間接経費を除いた、本年度の残額と最終年度の請求額合計は、1,571,175円である。
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