研究課題/領域番号 |
25460638
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
柴垣 有吾 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70361491)
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研究分担者 |
福原 俊一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30238505)
脇田 貴文 関西大学, 社会学部, 准教授 (60456861)
紺野 愼一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70254018)
栗田 宜明 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80736976)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性疾患 / 希望 / 尺度作成 |
研究実績の概要 |
本研究は慢性疾患を持つ患者における希望を測定するための尺度を開発し、臨床場面における応用可能性を探ることを目的としている。 本年度は昨年度に引き続き、希望構成概念の妥当性を確認し、項目作成の参考とするための患者インタビュー調査を実施した。昨年度は整形外科の慢性疼痛患者を対象としたが、本年度は当科の外来慢性腎臓病患者3名を対象とした。その結果、慢性腎臓病は整形外科疾患に比較し、本研究の目的により合致することが判明した。つまり、慢性腎臓病が慢性管理の原動力としての希望が当てはまり易いモデル疾患であることが明らかとなった(現在、困難に直面し、過去の挫折・経管を受け入れつつ、治療に繋げ、未来を変えられる)。 これらの結果、慢性疾患患者の切実な希望として、マズローの欲求5段階説にみられる「自己実現欲求のようなものとは大きく異なり、現実的な【現状の維持】に意味を見出していることが明らかであった。さらに、ホープが生じる前提として、慢性疾患を需要するプロセスなどの内的基盤や家族や友人と繋がっていることなどの外的基盤が必要であると考えられた。 本成果は関西大学心理学研究に2016年掲載した(脇田貴文、栗田宜明、冨永直人、加藤欽志、紺野愼一、福原俊一、柴垣有吾 成人慢性疾患患者における「希望」の概念の検討:インタビュー調査(質的研究)を通して 関西大学心理学研究 2016; 7: 17-32)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初はより多人数での検討を行うことを予定していたが、希望尺度の形成に時間を要した。一方で、成果は学術誌に掲載することも出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当たらな科研費を得ており、より多人数で、今回作成した希望尺度を調査し、他のQOL尺度や疾患需要の段階、予後などとの相関関係を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査に予想外の時間を要旨、研究結果のまとめが年度終盤まで遅れ、論文作成も遅れたため、学会参加や論文投稿費用の精算が次年度以降にずれ込んでいるため。
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次年度使用額の使用計画 |
学会参加費用、論文投稿費用として使用予定
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