研究課題
基盤研究(C)
天理よろづ相談所病院内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象として、2009年から外来通院患者やく4000名の大規模レジストリを作成している。本年度は、本レジストリのデータを用いて、糖尿病患者特有の心理・行動医学的な問題の頻度とそれらに影響を与える要因の検討を行った。特に、好感度CRP(High-sensitivity CRP [HS-CRP])とうつ病との関係を中心に検討を行った。対象者は2型糖尿病患者3573名で、平均年齢66.0歳、女性の割合が38.9%であった。うつ病の有病割合は3.4%であり、単変量解析ではHS-CRPとの間に有意な関連を認めた。多変量で調整した結果、HS-CRPとうつ病との間に有意な関連を認めなかった(OR=1.23 [95%CI, 0.75-2.04])。サブグループ解析ではBMI≧25の群では、高感度CRPが最も高い群でうつ病の有病割合が有意に高かった(OR=2.18 [95%CI, 1.13-2.33)。肥満の2型糖尿病患者において、CRPが高いほどうつ病の頻度が高い事が明らかになった。本研究の結果を、第56回日本糖尿病学会年次学術集会、および第73回米国糖尿病学会にて発表した。
2: おおむね順調に進展している
本年度の主な目的は3年目調査の調査票作成とデータの収集であるが、データの収集は問題無く行われ、電子データである検査データやオーダリングデータとの結合も終了した。また、収集したデータを解析した結果を論文にまとめ、国内外で発表を行っている。
平成26年度以降も継続して年度ごとに調査票の作成、データの収集を行う。また、継続してデータセットの作成、統計解析を行い、結果を論文の形にまとめ国内外の学会(糖尿病学会、糖尿病合併症学会、日本内科学会等)、査読のある関連雑誌(Diabetes Care, Diabetolgia, Diabetic Medicine等)に発表する予定である。
研究補助者の雇用が遅れ、雇用期間が想定していたより短期間となったため、人件費・謝金の支出が想定を下回ったため。次年度使用額を平成26年度に繰り越しし、26年度の研究計画の遂行に使用する計画である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
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