研究課題/領域番号 |
25460644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 教授 (60232295)
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研究分担者 |
原 邦夫 帝京平成大学, 地域医療学部, 教授 (40250047)
星子 美智子 久留米大学, 医学部, 講師 (90557498)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自治体病院 / 経営形態移行 / 健康影響予測評価(HIA) / Health impact assessment |
研究概要 |
自治体病院の経営形態移行に関して当該自治体が抱える問題や、経営形態移行によって影響を受ける集団とその影響内容、病院事業者の健康影響への認識がどの程度かを明らかにするために、予備調査時に使用した「病院職員病院経営形態の移行時における健康影響予測評価(HIA)に関するアンケート調査」の内容を改訂し、全国の自治体病院へのアンケート調査(web上)を実施した。 アンケート実施期間:平成26年2月15日~3月15日(延長3月31日まで)、アンケート用紙を配布した自治体病院数:1,134施設、アンケート用紙回収分:60施設、回答率は5.3%であった。主な結果を次に示す。 1)移行状況:移行済みが46施設(76.6%)、移行予定が9施設(15.0%)、改革プラン策定なしが5施設(8.3%)であった。2)病院の規模では、100床未満が16施設(26.7%)、100床~200床が16施設(26.7%)、200床以上が28施設(46.7%)であった。3)経営形態の移行状況は、一部適用から全部適用がもっとも多く31施設(56.4%)であった。次に一部適用と全部適用から地方独立行政法人(非公務員型)への移行がそれぞれ6施設(10.9%)であった。診療所への移行が5施設であった。4)移行によるメリットとして多かった回答(重複回答可)は医療スタッフが増える(21施設)、救急患者の受け入れ向上(14施設)、医療サービスの向上(13施設)であった。一方、デメリットは職員の満足度の低下(6施設)、診療科の減少(4施設)等であった。移行に際して「健康影響」を考慮したかは「必要性があり考慮する」が18施設であったが、「必要性がないので考慮せず」と回答した施設も同じく18施設であった。 回答施設数が少ないという制限はあるものの、自治体病院の経営形態移行の状況と健康影響への認識について現状が把握できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査票の改訂は順調に達成されたが、全国自治体病院のアンケートをwebを用いた方式により実施したが、回答率が当初の予想(60~70%)を大きく下回る結果となった。要因としては事前に全国自治体病院協議会への調査実施の了承と協力を依頼したが、実施については了承されたものの、具体的な協力(調査への協力要請等)を得ることができなかった点が考えられる。また、webアンケート調査の質問項目数や回答の手順等の煩雑さがひとつの要因となったと推定した。
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今後の研究の推進方策 |
当初より検討していたが、アンケートへの協力依頼先を全国自治体病院協議会から全日本自治団体労働組合にも依頼することで、再度同じ内容の調査を実施し、回答施設数の確保に努める。 平成25年度の調査に回答した施設の中で特徴的な回答あるいは興味ある回答をした施設について、現地調査(担当者へのヒアリング)を実施し、移行を決断して移行形態を決めるまでの経緯や住民や職員への説明とその反応、病院側が行った対応などの詳細を尋ねる。それにより研究目的である経営形態移行によって影響を受ける集団とその影響内容、病院事業者の健康影響への認識に関する情報収集を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度予算に旅費を挙げていたが、今年度は学外へ出張する必要がなかったため。 平成26年度に研究成果発表(学会発表等)を計画しており、次年度使用額をその際の旅費に充てる。
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