研究課題/領域番号 |
25460645
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
首藤 英樹 福岡大学, 薬学部, 准教授 (60412574)
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研究分担者 |
今給黎 修 福岡大学, 薬学部, 准教授 (50509627)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 薬学教育 / 実務実習 / チーム医療 / インタープロフェッショナル教育 / コミュニケーションスキル / スキルミックス |
研究実績の概要 |
平成27年度は当初の計画に従って、福岡徳洲会病院で長期実務実習中の福岡大学薬学部5年次生を対象に,栄養科、放射線科、臨床検査科、臨床工学科及びリハビリテーション科の5つのコメディカル部門(医療技術部門)で実習を行った。学生を2~3名を一組とし、2.5ヶ月の実習内で各半日程度(4~5時間)の実習を行った。各部門の仕事内容、チーム医療との関わり、薬剤師に求めるものなどについて、各部門のチーフに説明指導を行ってもらった。例えば、臨床検査科の細菌検査部門においては、仕事の流れと塗抹・分離・同定、薬剤感受性の試験方法と原理などの細菌検査全般の説明がなされ、感受性試験の判定とグラム染色の検鏡実習を行い、特に薬剤感受性についてディスク法と微量液体希釈法及び耐性菌についての指導が行われた。また、院内感染に携わるチーム医療としての薬剤師と検査技師の役割、細菌検査結果、感受性率統計(検査科)と抗菌薬使用状況(薬剤部)によるデータからのラウンド内容など活動内容含め、原則各分野同じ担当者で説明・指導を実施してもらった。実習前後で実習生にアンケート調査を行い、各職種の仕事内容やチーム医療に対する理解度・意識を評価した。アンケート調査の結果から、全ての学生が今回我々の試行したIPEプログラムに満足し、多くの学生がチーム医療に対する意識が高まったことが示された。また、学生のコメントからは、彼らのチーム医療における実践的臨床能力を身に付けるためのモチベーションがさらに高まったことが示された。我々の試行したIPEプログラムは、チーム医療実践能力を育成するための新たな教育手法であり、より高度な臨床薬剤師を育成するために有用であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度(平成25年度)の実習が実習施設の新病院建築や対象部門の人事異動等の関係から、かなり制限されたため、その分の遅れが平成26年度及び平成27年度の研究進行遅延にに影響している。しかしながら、平成26年度及び平成27年度は当初から計画していた、栄養科、放射線科、臨床検査科、臨床工学科及びリハビリテーション科の5つのコメディカル部門での実習を行うことができ、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成26年度及び平成27年度に試行したIPEプログラムを、学ぶ側と教える側から再度、整理・見直しを行い、シラバス、実習計画、方略、評価法を具体的に定めて、平成30年度からの薬学教育新コアカリキュラムに対応した実行可能性の高い実践的なIPEプログラムを確立していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度(平成25年度)の実習が実習対象施設の諸事情により制限されたため、その分が未使用分として残っている。平成26年度及び平成27年度は、ほぼ計画通りに実習ができたため、予定通り使用している。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、プレゼンテーション用のノートパソコン、資料作成用のスキャナ付プリターの購入や学会発表のための旅費、論文投稿費等での使用を計画している。
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