研究課題/領域番号 |
25460647
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡部 素典 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (60283066)
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研究分担者 |
吉田 淑子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (00171421)
相古 千加 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10523889)
二階堂 敏雄 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50180568)
野村 義宏 東京農工大学, 農学部, 教授 (10228372)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヒト組織利用研究 / ヒト乾燥羊膜 / 抗生物質 / 抗菌効果 / 定量 / ウイルス不活化 / 国際特許 |
研究実績の概要 |
我々はヒト羊膜の効能を最大限に引き出し細胞増殖の足場として利用すべく、ハイパードライ乾燥法により医療用のコラーゲンシート(ヒト乾燥羊膜)として開発してきた。 Bacillus stearothermophilus ATCC7953 の芽胞菌を滅菌する事が示唆される中で、昨年度、羊膜に殺菌効果がある可能性に気がついた。この芽胞菌に対する羊膜の殺菌効果をバンコマイシン(VCM)で換算したところ0.298 μg/mlに相当することが明らかとなった(n=3)。VCMのこの芽胞菌に対する最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration, MIC)は0.125 μg/mlであるので、この芽胞菌に対してはVCMよりも強い効果効果があることが明らかとなった。また、羊膜を乾燥し、γ線滅菌を施すことでこの効果が増加する傾向であることも分かった。 マイクロウェーブ処理によって、ウイルスがどの程度死滅(不活化)するのか検討することを開始した。予試験レベルであるが1)HSV-2、2)A型インフルエンザウイルス、3)ポリオウイルスの3種類に対して死滅効果が示唆された。 本研究をもとに将来アメリカ合衆国で企業した際に必要となる基本特許を取得した。 US Patent No. : US 8,932,641 B2 ; Dried Amnion and Method for Drying Treatment of Amnion. ; Date : 13Jan15(出願日:18Aug2006); 発明者:二階堂敏雄、吉田淑子、岡部素典、戸田文香、北川清隆、荒川雅彦;権利者:国立大学法人 富山大学、サクラ精機(株)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)当初予定していない発見があり、そのデータを収集していたため。 2)ウイルスの不活化を行うにあたり、思いのほか条件検討に手間取ったため。
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今後の研究の推進方策 |
1)予定していなかった発見は今後の研究を推進するためにも重要であるので予定の研究と同時に進めていく。その際、n=3(統計解析に必要な最低限)で当面は打ち切ることとし、当初の研究課題をできるだけ優先する。 2)ウイルスの不活化をバイオアッセイするにあたり、研究分担者を追加し、より強力なサポートを得ることにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
1)当初予定していない発見があり、そのデータを収集していた、2)ウイルスの不活化を行うにあたり、思いのほか条件検討に手間取ったため、計画していた動物実験ができなかった。コストのかかる動物実験ができなかったために次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度計画していた動物実験を行う。また、想定外の発見についても最低限度の実験にとどめ、予定していた実験をすすめる。
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