進行性腎障害の予後規定因子である腎線維化の病変形成に浸潤マクロファージは重要な役割を果たしているが、浸潤マクロファージの活性化調節機構は未だ不明な点が多い。本研究は腎線維化病変に浸潤するマクロファージの低酸素誘導因子-1 (HIF-1)の役割について検討した。マクロファージのHIF-1は腎臓の線維化を抑制する方向に働くことがわかったがマクロファージを含め腎全体のHIF-1を抑制すると線維化に対する効果は消失した。これらの結果から、腎線維化病変に存在するHIF-1は細胞種により線維化に対する態度が異なることが示唆された。
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