研究課題/領域番号 |
25460659
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
倉持 英和 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (30287362)
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研究分担者 |
林 和彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10208613)
中島 豪 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80338996)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | CPT-11 / 遺伝子多型 / DMET / UGT1A1 |
研究実績の概要 |
【研究目的】塩酸イリノテカン(CPT-11)は胃癌、大腸癌、肺癌など主要な固形がんにおいて重要な役割を果たすキードラッグの一つである。CPT-11の副作用の予測マーカーとして、SN-38の代謝関連遺伝子であるUGT1A1の遺伝子多型の測定が保険収載されているが、その予測精度はまだ満足のいくものではない。本研究の目的は1900個を超える遺伝子マーカーを網羅的に解析可能なDMET M plus マイクロアレイを用いて、CPT-11no副作用、特に好中球減少と下痢の発現予測マーカーを同定することにある。 【研究結果】DMETマイクロアレイを用いて、CPT-11による治療をうけた胃癌患者5例、及び大腸癌9例の血清から抽出したDNAより遺伝子多型スクリーニングを施行した。 G3≦の好中球減少との関連では11個の多型が有意な関連(P<0.05)を示したが、検定の多重性を考慮すると有意なものはなかった。下痢のGradeとの相関では、12個の多型で有意な関連を認め、共変量を考慮した検定の結果、多重性を考慮してもCYP関連SNPXに有意な関連(p<0.00001)を認めた。UGT1A1*6, *28と副作用の解析では、Grade4≦の好中球減少と*6多型との間に有意な関連(p=0.044)を認めたが、*6と下痢、*28と下痢、好中球減少との間には有意な関連を認めなかった。 続いてSNP Xについて、24例のCPT-11を使用した別コホートの大腸がん患者を用いて下痢との間の関連性の検証を行った。G/G症例においてはG1以上の下痢の出現割合が20%(3/15)であったのに対してA/AのGenotypeでは100%(3/3)であり、このSNPと下痢との関連性が示唆された。
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