研究課題
基盤研究(C)
1.ワルファリン投与による安定した抗凝固療法中の連続202例を対象に、食事内容に関するアンケートを用いて定量したビタミンK摂取量と、VKORC1およびCYP2C9遺伝子多型の関係を検討し、VKORC1-1639A/G多型ヘテロ接合体においては薬効指標であるPT-INRの変動にビタミンK摂取量が関与するが、AAホモ接合体では関与が見られないことを見出すとともに、この知見を論文化した(J Thromb Thrombolys, in press)。2.1.で見出した知見を応用し、VKORC1-1639A/G多型別に、アンケートによって定量したビタミンK摂取量が薬効指標であるPT-INRの変動に及ぼす影響を明らかにする前向き研究を開始し、同遺伝子多型のヘテロ接合体ではホモ接合体に比べてビタミンK摂取量変動が薬効に与える影響が大きい傾向が得られており現在研究継続中である。3.新規抗凝固薬であるdabigatran, rivaroxaban, apixabanを対象とし、新規に投与開始する臨床例において、薬物動態ならびに抗凝固活性の推移を追跡するとともに、薬物代謝ならびに薬理作用にかかわる酵素、トランスポーター、凝固因子をコードする遺伝子における高頻度多型との相互関係を検討するための試験デザインを、日本人さらには東洋人を対象とした既報を参考に策定した。
3: やや遅れている
新規抗凝固薬投与例を対象とした前向き研究の立案のため、海外における研究の動向を把握し、それらの研究従事者との討議が必要となった。また検討する遺伝子多型の機能的意義をin vitroで検討するための実験系セットアップを同時並行で試みており、臨床例登録までに時間を要し研究全体としては進捗がやや遅れている。
研究対象となる新規抗凝固薬投与例は順調に増えており、研究の遂行自体に大きな問題は無いと考えられ、倫理委員会の審議を待って臨床例の登録を予定している。
研究進捗状況として記載したように、新規抗凝固薬を投与する臨床例を対象とした薬理遺伝学的研究のスタートが遅れており、それに使用する予定の研究費が次年度へ繰り越すこととなった。新規抗凝固薬投与例を対象とした研究の進捗とともに研究費使用を進めることを予定している。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件)
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