研究課題
1)コレステロールトランポーターNPC1L1が消化管におけるビタミンK吸収に関与するとの最新知見(Sci Tansl Med 2015)に着想を得て、NPC1L1遺伝子多型別にビタミンK摂取量とワルファリン薬効との関係を、ワルファリンによる安定した抗凝固療法中の232例を対象にを比較検討した。その結果VKORC1-1639A/G多型ヘテロ接合体でのみNPC1L1機能的多型rs2072183が経口ビタミンK摂取量とワルファリン薬効の関係に有意に影響することを見出した。この成果は、一つのトランポーターが脂質代謝と血栓性疾患の病態の両者に、遺伝子多型を背景として異なる関わりを持つことを示唆する初めての実例として注目される(2016年3月日本循環器学会総会発表、投稿準備中)。2)新規抗凝固薬であるXa阻害薬投与例のうち安定した状態の50例を対象に、Xa活性と凝固線溶バイオマーカーとの関係を検討した。凝固系活性化の指標であるF1+2はXa活性と負の相関を示すが、TAT、Dダイマー、フィブリンモノマーではそのような関係は弱く、同薬剤投与中の凝固活性モニターにはF1+2が有用であることが示された。多変量解析では、性別、年齢、体重、血清クレアチニンに加え、Xa活性がF1+2の独立した規定因子であり、これら5因子で変動の37%が説明できた。現在両指標の関係における「外れ値」の分析を行い、新規薬効規定因子を探索中である(2016年欧州心臓病学会発表予定)。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Disease Markers
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