原発性アルドステロン症鑑別における新たなバイオマーカーの可能性

2014 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25460668
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 神 繁樹 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (60531845)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 化学合成 / 高速液体クロマトグラフィー / 質量分析

研究実績の概要

本研究の予定では前年度の（１）新規バイオマーカー物質の探索、（２）当該物質の単離、に次いで本年度は（３）物質の構造決定であったが、前年度の物質の単離が予定通りに進まなかったため、同時並行的にターゲット物質の化学構造を予想して３種の物質を化学合成を目指した。ターゲット物質の可能性が一番強い物質について合成を進めたが、物質の性質が扱い難いものであったため、現在はＮＭＲや質量分析といった各種分析装置を用いて当該物質の物性や構造の確認を行っている。また、他に可能性がある２種の物質についても化学合成を検討中であり、近々に進める予定である。予定よりも遅れている物質の単離については、分離装置（高速液体クロマトグラフィーシステム）の問題で本年度はほとんど進められなかったが、年度末に新たな装置の投入があり、次年度前半で急速に進むことが期待されている。
以上の進展状況により以降の（４）物質の測定法の開発や（５）患者検体の測定、（６）定量結果の解析と評価およびこれまでのバイオマーカーとの比較・検討などは一気に進み、研究全体としての予定はクリアできるものと予想している。特に患者検体については研究協力者より既に提供されており、ターゲット物質が決定した後には早々に測定法を開発し、測定できる状態にある。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度の進展状況から本年度は当初の予定を少々変更したが、以下の点において問題が発生し研究が遅れた。
（１）年度初めに研究代表者の部局内での担当部署が変更になり、使用していた研究機器類が使用できなくなった。特に高速液体クロマトグラフィーは物質の単離に必要な装置であるため打撃が大きく、本年度は機器を用意することに奔走した。その他の分析装置類に関しては本学の共用機器類を使用したり、分析センターを活用して研究を進めたが、時間が掛かることは避けられなかった。
（２）ターゲット物質の一つと想定したいた物質の性質が予想より取り扱いが難しいものであった。化学合成を行っているところであるが、分析の種類に依って示される物性が異なっているため、現在確認中である。

今後の研究の推進方策

研究が遅れている理由が本年度末に解消されつつあり、次年度は一気に研究が進むものと思われる。特に分離・分析装置に関しては新規に研究協力関係を結んだ研究室の好意により使用できるようになり、一層の進展が期待される。

次年度使用額が生じた理由

予定していた実験の状況により納期の日数が長く掛かる試薬が必要になったため、見かけ上（書類上）持ち越しが発生している。発注ベースでは持ち越し額はほぼ無い。

次年度使用額の使用計画

既に発注ベースでは残額はほぼ無い。