白血球のひとつである好酸球は、アレルギーの起こっている部位で顆粒蛋白を放出(脱顆粒)し、炎症を慢性化させている。このような組織や分泌液中では、好酸球が脱顆粒を伴って細胞死をきたしていることが知られてきたが、この本態は長い間不明であった。研究の結果、好酸球は過剰な活性化によって顆粒を放出するとともに、核のDNAが網状に放出される(DNA traps)、Extracellular trap cell death(ETosis) と呼ばれる特殊な細胞死をきたすことを明らかにした。さらにDNA trapsは好酸球性副鼻腔炎などの分泌液中に大量に存在し、その強い粘性に寄与していることも明らかにした。
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