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2013 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪肝炎に対する非侵襲的診断支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25460674
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

丸山 紀史  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90375642)

研究分担者 山口 匡  千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授(Professor) (40334172)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード脂肪酸 / 超音波
研究概要

まず5種の脂肪酸、すなわちパルミチン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、αリノレン酸についての信号分析を行った。プレパラート上に設置したセルクルに、溶媒で溶解した各種脂肪酸1.5mlを静置し、超音波顕微鏡で観察した。オレイン酸は他の脂肪酸に比べてインピーダンスが有意に低いことが再現性をもって示された。
次に、培養細胞Huh7 cellおよびHepG2 (35mm dish、500000cells/well)による脂肪肝モデル作成に際して、最初にパルミチン酸による処理を行った。IL8発現を指標にしてincubation timeとdose毎の変化をPCRで検討すると、500uM、9時間のパルミチン酸処理がIL8最大発現を示した。そこで、この条件を本課題での基本的な脂肪酸処理法とした。パルミチン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、αリノレン酸による各種脂肪酸処理後の培養細胞をホルマリン固定し、ナイルレッド染色により細胞内外の脂肪の存在を確認した。ついで、ホルマリン固定後の試料に対して高周波超音波顕微鏡による観察を行った。超音波の周波数は80MHzと250MHzの二種を試みたが、使用容器や細胞環境の点から250MHzでの計測条件が優れていた。信号解析では、脂肪酸単独での計測結果と同様に、オレイン酸処理モデルでは、他のモデルに比べてインピーダンスが有意に低値であった。
以上の結果、オレイン酸ならびにオレイン酸処理培養細胞モデルでは、超音波信号上インピーダンスが低いことが特徴であると考えられ、他の脂肪酸との重要な鑑別点であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画通りに進行しているため。

今後の研究の推進方策

培養細胞モデルにおける検討については、一定の成績を得ることができた。パルミチン酸の音響学的特性については、引き続き検討を続けたいと考えている。また今後は、これまでの成果を踏まえて動物モデルでの検討に展開する予定である。

次年度の研究費の使用計画

培養細胞の信号測定実験において、当初はOpticell (Nunc)など特殊な培養器具の使用を見込んでいたが、信号計測上の簡便性や誤差軽減などの点から、一般のディッシュでの計測の方が適していることが明らかとなった。それに伴って必要経費も軽減され、次年度使用額が発生した。
比較的少額であることから、消耗品購入に使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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