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2014 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪肝炎に対する非侵襲的診断支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25460674
研究機関千葉大学

研究代表者

丸山 紀史  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90375642)

研究分担者 山口 匡  千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (40334172)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード脂肪酸 / 超音波
研究実績の概要

本年度は、マウス肝の薄切標本に対する音響特性計測の条件設定と計測を主たる目標とした。前年度まで超音波顕微鏡の周波数条件として80MHzと250MHz の2種の周波数条件を設定し検討を進めていたが、プレパラート上でのマウス肝標本に対する計測を実践するにあたり、250MHzは高すぎる周波数条件であることが明らかとなった。そこで、脂肪酸単体および培養細胞に対する計測条件を80MHzに統一した。
脂肪酸の音響学的特性としてインピーダンス(Mrayl)を計測すると、オレイン酸1.49±0.01、パルミチン酸1.55±0.003、パルミトオレイン酸1.91±0.01、リノール酸1.56±0.03、αリノレン酸1.51±0.01であり、オレイン酸が最も低いことが示された。また各種脂肪酸処理後の細胞モデルにおけるインピーダンスは、オレイン酸1.47±0.04、パルミチン酸1.65±0.03、パルミトオレイン酸1.65±0.03、リノール酸1.64±0.03、αリノレン酸1.67±0.03であった。すなわち、脂肪酸単独での信号計測結果と同様に、オレイン酸処理モデルでインピーダンスが有意に低値であることが確認された(p<0.01)。ついでマウスモデルから摘出した肝組織標本でインピーダンスの計測を行った。コントロール標本では1.72±0.02、脂肪肝では1.69であったが脂肪肝炎(NASH)では1.66±0.04であり、コントロールに比べ脂肪肝炎では有意に低値であった(p=0.0047)。以上より、今回選択した5種の脂肪酸の中ではオレイン酸が有意に低いインピーダンスを示し、NASH肝においても低インピーダンスが特徴的な所見であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に順じた進行と成果を得ているため。

今後の研究の推進方策

培養細胞実験において脂肪酸処理濃度を変えることで脂肪含量を変化させ、インピーダンスの差を検討することで、脂肪化の程度とインピーダンスとの関連を検討する。同様に、マウスモデルの肝組織標本を使用して、脂肪化の程度とインピーダンスの関係についても検討したい。さらに、肝線維化の程度によってインピーダンスがいかに変化するかについても検討を加えたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] NASHにおける脂肪酸特定に向けた音響物性解析2015

    • 著者名/発表者名
      山口 匡
    • 学会等名
      日本超音波医学会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪(東京都・港区)
    • 年月日
      2015-05-24
  • [学会発表] 脂肪酸の音響特性分析とNASH診断への展開2015

    • 著者名/発表者名
      丸山紀史
    • 学会等名
      日本肝臓学会
    • 発表場所
      ホテル日航熊本(熊本県・熊本市)
    • 年月日
      2015-05-21

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公開日: 2016-05-27  

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