研究成果の概要 |
細胞の飲食作用に関与するクラスリン重鎖(CHC)の染色は, 肝細胞や食道の病理診断における腫瘍の良・悪性の鑑別に有用であることが判明している。我々は咽頭, 喉頭, 舌, 歯肉の各悪性腫瘍症例についてCHC染色を行った結果, 非癌部に比べて癌部で極端に強く発現しており, したがってCHC染色は, 正確な病理組織診断に貢献できる可能性が示唆された。 また、癌患者の血清中の抗CHC抗体量を測定するために、CHCの2次構造の予測から親水領域や極性を割り出し, 自己抗体生成における抗原部分を推定して12種のペプチドを合成した。今後ELISA法を開発して腫瘍マーカーとしての性能を評価する必要がある。
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