研究課題/領域番号 |
25460678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
寺澤 文子 信州大学, 医学部, 准教授 (40109210)
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研究分担者 |
奥村 伸生 信州大学, 医学部, 教授 (60252110)
石井 亘 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80452142)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | シトルリン化フィブリノゲン / ELISA / 至適条件 / ビオチン化抗ヒトIgG / ストレプトアビジン-POD |
研究概要 |
H25年度はシトルリン化フィブリノゲン抗体のELISAによる測定を試みた.精製したリコンビナントフィブリノゲンをシトルリン化し,マイクロプレートに固相化した後,血清,ビオチン化抗ヒトIgG,ストレプトアビジン-PODを順次反応させるため,まず良好な検量線の作成に必要な各試薬の至適条件を検討した.その結果,固相化する抗原濃度は10μg/mL,ビオチン化抗ヒトIgGは4000倍希釈,ストレプトアビジン-PODは10000倍希釈において,良好な検量線が得られることを確認した. 次いで,シトルリン化フィブリノゲンELISA測定法の確立を試みた.抗シトルリン化フィブリノゲン抗体は,業者に委託し作製した.固相には抗シトルリン化フィブリノゲン抗体を用い,血清,ビオチン化抗ヒトフィブリノゲン抗体,ストレプトアビジン-PODを順次反応させた.抗体測定の場合と同様に,各試薬の至適条件を検討したところ,抗体濃度は10μg/mL,ビオチン化抗ヒトフィブリノゲン抗体は5000倍希釈,ストレプトアビジン-PODは10000倍希釈において,標準物質6.25~100ng/mLで良好な検量線が得られる結果となった.また抗原,抗体測定のいずれも血清,血漿のどちらを用いた場合でも結果に相違は認められなかった. しかし一方,作製したシトルリン化フィブリノゲン抗体はポリクローナルであり,健常人の血清を用いた場合にもわずかに反応することが明らかとなった.そのため,H26年度はモノクローナルシトルリン化フィブリノゲン抗体を作製し,特異度,精度を上げるための検討を行う.そのうえで,関節リウマチ,あるいは変形性関節症とされた患者の血清を用いて,抗原・抗体測定を実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血清および関節液中のシトルリン化フィブリノゲンおよびその抗体をELISAにて定量するための基礎的検討を行い,用いる各試薬の至適条件を決定することができ,また再現性の良い方法であることを確認できた.
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は,シトルリン化フィブリノゲンのモノクローナル抗体を作製し,さらに特異度(正確度)と精度の高い定量法を確立する.そのうえで,関節リウマチ,あるいは変形性関節症とされた患者の血清および関節液を用いて,シトルリン化フィブリノゲンの抗原・抗体測定を実施する予定である.さらに環状シトルリン化ペプチド(CCP)に対する抗体検査とも比較し,関節リウマチの診断,治療経過の観察および病態解明に利用可能か,臨床的意義を検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度の結果より,H26年度はモノクローナル抗体の作製が必要と判断し,可能な範囲で次年度に繰り越したため. 残額とH26年度をあわせて,モノクローナル抗体作製費,試薬類,プラスチック製品など器具類の購入費に使用する.
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