研究課題/領域番号 |
25460678
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
寺澤 文子 北陸大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40109210)
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研究分担者 |
奥村 伸生 信州大学, 医学部, 教授 (60252110) [辞退]
石井 亘 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (80452142) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | シトルリン化フィブリノゲン / ELISA / 関節リウマチ / 血中抗原濃度 / 血中抗体濃度 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)患者血清の75%程度にシトルリン化タンパクに対する自己抗体が存在し、しかも高い疾患特異性を有し、疾患の極初期から検出されることが報告されている。臨床検査では環状シトルリン化ペプチドに対する抗体検査が新規項目として保険適用になっている。我々はこのシトルリン化タンパクの大部分はシトルリン化フィブリノゲンと考え、患者血液中の抗原と抗体濃度をELISAにより定量する方法を確立することを目的とした。H25年度はポリクローナル抗体を作製して使用してみたが非特異的な反応が多く認められたことから、H26年度はモノクローナル抗体の作製を行なった。H27年度は作製したモノクローナル抗体を用いて、固相化濃度、血清希釈倍数、二次抗体濃度、三次抗体濃度、同時再現性、日差現性性、希釈直線性などの測定条件を検討した。良好な結果が得られる測定条件を決定し、RA患者14例、対照群としてSLE患者2例、健常人21例の血清中抗原量、抗体量を測定した。その結果、抗原量はRA患者では204-2881ng/mL(平均:730±719ng/mL)、SLE患者では87と97ng/mL、健常人群では47-291ng/ml(平均:129±63ng/mL)となった。抗体量はRA患者では25-1780μU/mL(平均:305±494μU/mL)、SLE患者では13と27μU/mL、健常人群では2.6-13.5μU/mL (平均: 5.4±1.6μU/mL)となった。RA患者血清中のシトルリン化フィブリノゲン(抗原)および抗シトルリン化フィブリノゲン抗体価は、SLE患者血清、健常対照群血清より明らかに高値を示し両群の測定値には有意な差が認められた。本研究により血清中シトルリン化フィブリノゲンおよびその抗体定量法を確立することができた。今後は病態と血中濃度の関連について研究を進めて行く予定である。
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