研究課題
これまでの研究では複雑な形態の口腔内の蛍光写真を出来るだけ同じ条件で撮影できるように偏光レンズを加えるなどの改良を行ってきた。平成28年度は口腔がんのサンプル数をさらに得ることでより確実な解析をめざし研究を進めてきたが、同時に口腔がんだけでなく肥厚性瘢痕や角化口唇粘膜、歯周病に罹患した粘膜の蛍光写真による解析も同時進行で行った。その結果赤色蛍光は腫瘍塊だけでなくそれ以外の部分でもやはり認め、腫瘍由来以外の原因の存在が示唆された。この原因のひとつとして考えられるのが口腔内細菌叢である。歯周病菌はこれらの菌体内にポルフィリンが含まれているために蛍光色を呈する。今後は蛍光色発色のメカニズムを検索すると共に、腫瘍塊での蛍光検出の精度を向上させるために細菌由来の蛍光色の排除濡工夫、具体的には細菌の洗浄による除去、抗菌剤による除菌などを行うなどの工夫を加えながら観察を行う必要があると考えられる。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
J Cranio-Maxillo Fac Surg
巻: 44 ページ: 734-742
10.1016/j.jcms.2016.02.011