口腔がん罹患者の腫瘍部分に青色光照射して励起すると赤色の蛍光が観察されることがある。申請者らは、赤色蛍光陽性がんは、光増感剤前駆物質として5-アミノレブリン酸(ALA)を用いた光線力学治療に感度が高い可能性を着想し、本研究では、口腔内腫瘍病変におけるプロトポルフィリンIX(PpIX)に起因する赤色蛍光の発現につき解析した。その結果、口腔内腫瘍病変の約4割に赤色蛍光を認めた。赤色蛍光は腫瘍部に不均一に分布し、腫瘍細胞の分化や組織型とは関連を認めなかった。今後、赤色蛍光の由来を探り、光線力学治療効果を高くする要因を追求する。
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