現在我が国で他臓器固形癌に対しすでに認可のあるマルチキナーゼ阻害剤であるSunitinibが変異RETによる細胞増殖、遊走能およびRET下流のシグナルを抑制することを甲状腺髄様癌モデルマウスMoMuLV/RET-MEN2A由来髄様癌細胞株を用いて示した。Sunitnibの経口投与によりMoMuLV/RET-MEN2A甲状腺髄様癌は有意に縮小し、MEN2A型変異RETを有する患者にSunitinibが有効である可能性が示された。甲状腺髄様癌組織を用いたLC/MS分析では、変異RETとともにチロシンリン酸化を受けた様々なシグナル関連、増殖関連タンパク質が同定され、今後さらなる解析が待たれる。
|