静脈血栓塞栓症はエコノミークラス症候群として近年注目されている。我々は1アミノ酸変異により凝固制御因子アンチトロンビンの制御に抵抗する異常プロトロンビンを発見し、新規の疾患概念としてアンチトロンビン抵抗性を提唱した。トロンビンは血管内皮細胞表面の受容体・トロンボモジュリンに結合すると凝固能を失い、抗凝固能を発揮するようになる。プロトロンビンの変異によりトロンボモジュリンの凝固制御能の変化を測定する検査法を開発した。併せて、アンチトロンビンが作用する活性型血液凝固第X因子にも着目し、アンチトロンビン抵抗性を示す異常FX因子を発見しその検査法を開発した。
|