合成されたばかりのタンパク質には20種類以外のアミノ酸はほとんど含まれない。しかし、生体内では生理的や病理的な化学修飾(リン酸化や活性酸素種との反応など)が常に起こるので、化学的な傷がタンパク質に蓄積していく。このタンパク質の傷は生体内のストレスを反映するので、異常を知らせるバイオマーカーになる。そこで、本研究では、タンパク質を消化してアミノ酸にまで分解し、傷のついたアミノ酸の化学構造を同定し定量することを目指した。その結果、重さだけが異なるタグ(ダブシル基)をアミノ酸につけることで基準試料と未知試料を精確に比較分析・定量する基礎技術が確立できた。
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