研究課題/領域番号 |
25460686
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山城 安啓 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50243671)
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研究分担者 |
田中 経彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20144925)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 赤血球膜タンパク異常症 / 次世代シーケンサー / 球状赤血球症 / アンキリン / スペクトリン / Ion PGM |
研究実績の概要 |
先天性溶血疾患の原因で最も頻度の高い赤血球膜タンパク異常症の解析を次世代シーケンサーIon PGMを用いて行った。赤血球膜タンパク関連遺伝子群は20種類存在し、その遺伝子は巨大でエクソン数も多い。全エクソン92174bpを677のAmpliconを作成し、シーケンシングを行い原因解明を試みた。対象は、様々な検査から球状赤血球症(HS)が疑われる6例とした。その結果、新規のアンキリン遺伝子変異によるHSが4症例発見された。そのうち1例はα-スペクトリンにも新規の遺伝子異常が存在し、臨床症状を悪化させていることが示唆された。残りの2症例に関してはHSを引き起こす可能性のある塩基置換が全関連遺伝子認められなかったため、Ion Xpressを用いて遺伝子欠失の有無を解析したが、アンキリンとスペクトリンには遺伝子欠失は認められなかった。残りの遺伝子に関しては解析中である。 以上のことから、複合ヘテロ接合体も考えられる赤血球膜タンパク症の解析には、関連遺伝子の網羅的解析が必要である。また、形態異常に関わる塩基置換が認められない場合には、遺伝子欠失も念頭に置いて解析する必要がある。ある程度原因遺伝子が絞り込むことが可能な先天性の疾患の解析には、遺伝子欠失も解析可能な次世代シーケンサーIon PGMを用いた解析が有効である。
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