本課題では肥満に関連した代謝性臓器や疾患における第Ⅶ因子活性化プロテアーゼの役割を探る目的で研究を行い、骨格筋細胞における第Ⅶ因子活性化プロテアーゼの遺伝子発現などいくつかの知見を得た。また、検討を進める中で脂肪細胞が第Ⅶ因子を産生すること、さらに、その分泌は腫瘍壊死因子-αやイソプロテレノールによって増加するという新たな知見を見出した。これらの物質は肥満症の病態形成に重要な組織の炎症や交感神経の緊張を模倣するものであることから、脂肪細胞由来の第Ⅶ因子は肥満症の病態マーカーとしての可能性を有することが示唆された。
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