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2014 年度 実施状況報告書

肺癌の早期診断を目指した血中miRNA定量に関する基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25460698
研究機関杏林大学

研究代表者

相磯 聡子  杏林大学, 保健学部, 准教授 (40195144)

研究分担者 大西 宏明  杏林大学, 医学部, 准教授 (80291326)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード肺がん / circulating microRNA / リアルタイムPCR
研究実績の概要

本研究の目的の一つは、血中のマイクロRNAを肺がんのバイオマーカーとして用いるための基盤となる情報を得ることである。平成26年度においては、マイクロRNA定量において再現性に影響を及ぼすと考えられる検体保存中のマイクロRNAの安定性の検討、および健常人の血中マイクロRNAレベルに影響を及ぼす因子に関する解析を行った。
1.マイクロRNAはメッセンジャーRNAと比較し非常に安定であると考えられており、採取された血液を室温下30分間程度放置することにより凝血させた後、血清を分離し、短時間であれば4℃下で保存されることも多い。そこで4℃下における血清保存時のマイクロRNAの安定性について、昨年に引き続き解析した。その結果、血清マイクロRNAは4℃において、従来考えられていたよりも不安定であることが示された。また4℃における安定性はマイクロRNA種により差があることが示された。凝血時および血清保存時におけるmiR-21およびmiR-223の安定性について論文にまとめ臨床病理に投稿、アクセプトされた。
2.健常人73名について、年齢、性別、BMI値、喫煙、飲酒、服薬、既往症、血縁者の肺がん罹患者の有無についてのアンケート調査および採血を行い、血清を用いてマイクロRNA、miR-20a、miR-21、miR-145およびmiR-223の定量を行った。このうち十分な情報が得られなかった服薬、既往症を除く年齢、性別、BMI値、喫煙、飲酒、血縁者の肺がん罹患者の有無について、マイクロRNAレベルとの相関を解析した。この結果、これらのマイクロRNAの一部において、血中レベルと性別、喫煙および飲酒と間に相関が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、次の段階として杏林大学医学部付属病院を受診し同意を得られた肺がん患者について、初診時の血中マイクロRNAレベルの測定および治療や予後と血中マイクロRNAレベルとの関係について解析を行う。そのため呼吸器外科、呼吸器内科および検査部による協力体制を構築し、滞りなくこのシステムを動かすまでに、やや時間を要した。また、外科的切除や化学療法直後および治療効果判定時の血中マイクロRNAレベルについても追跡するため、検体が目標数に達するまでに当初考えていたよりも長い期間を要すこととなった。

今後の研究の推進方策

引き続き肺がん患者血清のマイクロRNA測定を行い、
1)肺腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんについて、stage別に、各マイクロRNAレベルの評価を行う。
2)切除および化学療法前後のマイクロRNAレベルの変動を解析する。
3)上記1)、2)に基づき、各マイクロRNAの肺がんマーカーとしての評価を行う。
4)各種肺がん細胞株の培養上清について、各マイクロRNAの有無を調べ、血中のマイクロRNAが何に由来するか、解析する。

次年度使用額が生じた理由

検体収集のシステムを構築するために時間を要し、検体の収集が予定通りに進まなかったため、マイクロRNAの測定に用いる試薬類の購入が予定より少なかったため。

次年度使用額の使用計画

患者検体の収集が順調に行われるようになったため、予定数の検体のマイクロRNA測定をさらに進める。

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公開日: 2016-05-27  

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