慢性骨髄性白血病における治療効果の判定には,定量的PCR法を用いたBCR/ABL mRNA発現量の定量が採用されることが一般的である。しかしながら,従来法では再発を予測できないことが問題となっている。本研究では,BCR/ABLキメラ遺伝子の融合点に着目した新規検出系を構築することで,従来法よりも高感度な技術の確立を目的とした。 本技術により,3種類の細胞株それぞれのBCR/ABL融合点を同定でき,そのうち2種類においてBCR/ABLキメラ遺伝子を検出するための系を確立できた。本技術は,まだ改善の余地はあるものの,患者体内の慢性骨髄性白血病細胞を1細胞レベルで検出できる可能性を秘めた技術である。
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