研究実績の概要 |
最初に HHV-6U31領域についてHHV-6A、Bの共通遺伝子配列部分にLAMP primerを設計した。HHV-6A,Bの配列中にはHHV-6AとBを識別可能なSNPが配置されるようにそれぞれのcycling probeを設計した(異なった蛍光色素を使用)。LAMP primerの性能を評価するためLAMP試薬とprimer(2.4μM FIP,BIP, 1.2μM LPB,0.6μM F3,B3,0.2μM)8U Bst polymeraseで評価した(LPFはprobeとして使用のため加えない)。濁度決定によるこのLAMP法の感度は、HHV-6A,Bの両ウイルスDNAにおいて反応あたり100コピーであった。 cycling probe LAMP法至適条件としてpHの検討を行った。LAMP bufferのpHを8.8と7.5とした2種類を用意し標的領域を含むDNAを加えCt(cycle of thresdhold)値を比較した。蛍光強度はpH7.0よりもpH8.8のbufferの方が速く蛍光強度が増していた。次に、probe濃度(200n M、400n M)についてを検討した。LAMP bufferとHHV-6 primer,2.4μM FIP,BIP, 1.2μM LPB, 0.6μM F3,B3,0.2μM H6B cycling probe、RNaseH 0.5μl、HHV-6B plasmid 5μl(107-109copies/反応)で全量25μlとした。Ct値とコピー数の相関(200nM:r2=0.87、400nMr2=0.98)はprobe濃度を400nMにした方が優れており1000-1000000コピー/反応で優れた直線性が確認された。LAMP法とcycling probeの組み合わせによってLAMP反応による遺伝子増幅をcycling probeで検出できることが明らかとなった。現在の検出感度としては103コピー/反応とreal-timePCRと比較して十分であるとは言えず感度上昇の工夫が必要である。簡易な感度上昇手段として熱変性があるがBst polymeraseが80℃で失活してしまうことから現実的でないためアルカリ変性など他の感度上昇手段を講じる必要がある。
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