研究課題
メタボリックシンドロームと深く関わる非アルコール性脂肪肝(NAFLD)で、ヒト血清mi-RNA-122が有意に上昇した。そこで本研究では、血清micro-RNA-122(miR-122)がNAFLDの新たな臨床検査のバイオマーカーとなり得る可能性について評価した。高脂肪食を与えたNAFLDのモデル動物(ラット)を作製して、発症過程(2、6、10週間)の血清、肝組織を採取して、関連するパラメーターやmiR-122を測定し病態解析を行なった。その結果、高脂肪食を2-10週間投与したラット群(HFD)は、通常食投与ラット群(Control)に比べて、高脂肪食摂取2週以降に体重、肝総脂質、肝・血清中性脂肪が有意に上昇した。また、HFDの肝組織はオイルレッドO染色が陽性となり、肝への脂肪蓄積が観察された。しかし、ALT、ASTは両群とも変動しなかった。それに対して、血清miR-122はHFD群で2週以後Controlに比べて顕著に上昇(約5倍)し、6、10週ではさらに上昇した。最終年度は、血清miR-122と肝TGやと肝LPOとの間の相関性が共に有意であるとの成果が得られ、血清miR-122の上昇が肝脂肪に関わる可能性が示唆された。本研究の結果から、本NAFLD発症モデルは現在のバイオマーカーであるALTが上昇せず肝変性や炎症が起こる前の緩和な状態であるにも関わらず、血清miR-122は脂肪投与後早期に上昇したことから、血清miR-122は、早期NAFLDの優れた新たなバイオマーカーになり得る可能性が示唆された。
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