研究課題
まず野生型stavにT76RとV125Rの部位特異的変異を加え、単量体化を試みた。これらの変異がコードされ、3'末端にFLAGタグの配列が付加された変異型stav遺伝子を、合成オリゴDNAのoverlap extension PCRにより構築した。これを大腸菌内に発現させて、得られた変異型stavタンパク質をSDS-PAGEに付した。POD標識抗FLAG抗体をプローブとするWestern Blottingを行ったところ、単量体stavとほぼ同じ分子サイズを示すバンドが認められた。さらに、サイズ排除型カラムを装着したHPLCにおいても単量体stavと同程度の分子量(約13,700)をもつribonucleaseAと同等の保持時間を示し、単量体化に成功したことが示された。引き続き、ターゲット分子として卵胞ホルモンであるエストラジオール(E2)を取り上げ、stavとのin silico分子モデリングを行った。E2はstavの8つのβシートのうちβ5とβ6の一部、そしてβ1-β2間、β3-β4間とβ5-β6間の3か所のループが主にE2分子と接触することが示唆された。そこで、これらの3つのループのうち1つについて、連続する3つの残基に縮合コドンを持つ合成オリゴDNAを利用して、ランダム変異を導入し多様性に富む変異stav'遺伝子ライブラリー3種の作製を行った。これらについてファージ提示を行い、E2に特異的なクローンの探索を行ったところ、E2-BSA/BSA比が3.1のファージクローンを単離することができた。さらに得られたクローンの未修飾のループに同様のランダム変異を加えた変異体ライブラリーを作製し、E2に対してより特異的な分子種の探索を行った。その結果、さらにE2特異性が向上したと判断されるクローン2種 (E2-BSA/BSA比が12.8、8.7) が得られた。
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