抗体は、各種臨床検査に重用されているが、その結合部位はVHとVLの2つのドメインの間に構築される上、大腸菌内での発現量も低いため、遺伝子操作により機能を改変するうえで障害が大きい。そこで、分子量が小さく、標的分子の結合部位を単一のドメイン内に持ち、大腸菌内で高い発現率が得られる、新しい「抗体様」タンパク質の創製を試みた。ビオチン結合タンパク質であるストレプトアビジン (stav) の単量体に着目し、進化分子工学の手法によりランダム変異をもつループ構造を導入してstav変異体の分子集団 (ライブラリー) を作製し、エストラジオールに特異的な結合能を示す分子種を得ることができた。
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