研究課題
初年度構築した3p21領域の高解像度ゲノムコピー数解析用CGHアレイを用い、合計で腎細胞癌6検体と悪性中皮腫33検体のコピー数解析を実施した。後者については、Laser Capture Microdissectionにより、正常組織の混入率低下を心がけた。両腫瘍のゲノム再構成の状況は大きく異なり、腎細胞癌では3p21全体に及ぶと思われる1アレル欠損が見られるのみであったが、悪性中皮腫検体ではoscillating copy-number patternsが観察され、61%(20/33)の検体に2アレル欠損が観察された。2アレル欠損が見られた20検体内では1検体でのみ欠損が観察された遺伝子を含め合計46遺伝子の欠損が検出され、多くは個々に独立に欠損していた。3p21領域内の2アレル欠損位置には2つのクラスターが見られ47-48 Mb (SETD2, SCAP) と 52-53 Mb (BAP1, PBRM1) に集中していた。SCAPの欠損は特定intron領域で生じたが、他の遺伝子では欠損位置は検体間で異なった。悪性中皮腫ではSETD2, SMARCC1, BAP1 PBRM1について、NGSシーケンス解析による変異検出を実施したところ、SMARCC1を除き、これら遺伝子は複数検体で点突然変異や数塩基の挿入/欠失などの変異も検出された。NGSシーケンスデータを用いたコピー数解析も実施し、2アレル欠損頻度はシーケンスレベル頻度より多いか、同等であった。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
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