大腸癌患者組織膜画分のプロテオーム解析で同定した大腸癌のバイオマーカー候補となるタンパク質について、血清細胞外小胞画分における発現解析をおこなった。転移なし、または転移ありの大腸癌患者および健常者の血清から超遠心法を用いて調製した血清細胞外小胞画分をSRM法で解析したところ、20種類のマーカー候補タンパク質が検出された。その中の3つのタンパク質は、転移のある大腸癌患者の血清細胞外小胞画分で有意に増加していた。さらに、別検体セットの解析では、健常者に比べて、初期の段階を含む癌患者での有意な増加が示されたことから、これらのタンパク質は、有用な腫瘍マーカーとなる可能性が示された。
|