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2015 年度 実績報告書

神経障害性疼痛を制御するケモカインシグナルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460721
研究機関九州大学

研究代表者

齊藤 秀俊  九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (90444794)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード神経障害性疼痛 / ミクログリア / ケモカイン
研究実績の概要

痛みは生体の危険視号として重要な感覚であるが、行き過ぎた痛みは生活の質を著しく低下させる抑えなければならない感覚となる。神経障害性疼痛に罹患する患者の中にはモルヒネによっても痛みの苦痛から逃れることのできない患者もおり、そのメカニズムの解明や治療薬の開発は急務の課題である。前年度までに神経障害性疼痛を引き起こすケモカイン分子としてCCL3を見出し、脊髄組織内のCCR1、CCR5のそれぞれが関与することを報告した。また、ミクログリアの初代培養細胞を用いた実験系においてP2Y12受容体刺激が一過性の細胞内カルシウム応答を引き起こし、NFATとよばれる転写因子の活性化を介してCCL3の発現を誘導していることを見出し、論文投稿を行った。本年度ではミクログリア選択的に発現する転写因子として、Mafbを見出し、ケモカイン関連遺伝子発現への検討したところ、Mafbヘテロ欠損マウスの脊髄組織ではP2Y12、CCL3のmRNA発現が減弱していることを見出した。また、Mafb欠損初代培養ミクログリアにおいてもP2Y12、CCL3の発現レベルの低下を確認しており、このミクログリアをATP処置した後、脊髄腔内へ移植する実験系では、野生型のミクログリアを移植した時の痛み行動発現よりも、明らかに弱い痛み応答しか得られなかった。つまり、ATP誘発性の痛みを引き起こすミクログリアの活性化にはMafbが重要な因子であることを示している。以上により、ミクログリアのP2Y12受容体活性化によるケモカイン発現から疼痛発症へとつながる病態メカニズムと、これに至るミクログリア機能を転写因子Mafbが制御しているというメカニズムを新たに提唱するに至った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 慢性痛とグリア細胞2015

    • 著者名/発表者名
      齊藤秀俊,津田誠,井上和秀
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 33 ページ: 860-861

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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