研究課題
本年度は、ミクログリア活性化阻害剤であるminocyclineの髄腔内投与及び経口投与による止痒及び皮膚炎改善効果について検討した。アトピー性皮膚炎(AD)未発症NC/Ngaマウスと比較して、ダニ虫体成分(Dfb)含有軟膏の反復塗布によって誘発したAD様症状を呈するNC/Ngaマウス(Dfb-NC/Nga)の脊髄後角においてIba1陽性ミクログリア数が増加することが免疫組織学的解析により明らかとなった。Dfb-NC/Ngaマウスの髄腔内にminocyclineを5 μg/5 μL及び50 μg/5 μLで週3回、2週間投与すると、コントロール群(溶媒投与群)と比較して、minocycline投与群において、投与量依存的に有意な掻破行動の抑制と皮膚炎の改善を示した。50 μg/5 μL minocyclineの髄腔内投与群では、脊髄後角において増加していたIba1陽性ミクログリア数が減少することが明らかとなった。さらに、minocyclineの経口投与は投与量依存的にかゆみ行動の抑制とIba1陽性ミクログリア数の減少傾向を示した。このように、脊髄、特に脊髄後角のミクログリアは少なくともADにおける難治性かゆみの発症に関与すること、脊髄内ミクログリアがADにおける難治性かゆみの治療標的のひとつに成り得ることが示唆された。
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