研究課題/領域番号 |
25460736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
岩田 豊人 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00321894)
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研究分担者 |
村田 勝敬 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80157776)
堀口 兵剛 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254002)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 手のふるえ / 周波数解析 / 単純反応時間 / 選択反応時間 |
研究概要 |
環境中有害物質は、人に健康影響を及ぼさない曝露量の最大値(NOAEL)またはこれに相当する量(BMDL)を考慮して制御する必要がある。これまでに有機溶剤や重金属の神経運動機能影響を定量的に検討するために用いられてきた方法に、手のふるえ検査と反応時間検査がある。この2つの検査について時間分解能を上げることによって、周波数特性の異なるふるえを検出できる可能性、反応時間変化の検出感度が上がる可能性を検討し、手のふるえや反応時間への影響が疑われる曝露集団に応用を試みることを計画している。 手のふるえは、これまではサンプリング周期32msで測定していたところ、圧電素子を用いた市販の加速度センサーからの出力をサンプリング周期1msで取り出して周波数解析を行うことが可能となった。しかし現在は測定結果からセンサーや回路の特性による成分と手のふるえ自体とを分ける方法を有していないことから、さしあたり今回新規に導入した「測定結果」をそのまま影響指標とみなし、環境温度や動脈内酸素分圧に対する生理的変動が手のふるえ測定結果に及ぼす影響を検討を進める予定である。また1Hz以下のふるえについては、血管脈波が混入している可能性も指摘されておりその扱いが問題とされる事もあるため、センサーを複数用意し、大きな血管の近くを含む複数の場所に貼付し比較してふるえの低周波成分の測定評価法確立にむけて解析を進めていく。 反応時間については、パソコン画面上への刺激提示を行う市販ソフトと、タイマーを内蔵する入力機器を導入できた。単純な視覚や聴覚の刺激に応じて運動を開始するまでの時間である単純反応時間には軽度の飲酒の影響が認められにくいとされてきたが、時間精度を上げることで影響が認められるかを検討する。また、選択反応時間測定において、短時間で測定でき、かつ十分な再現性の得られる条件の検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被検者との時間調整が困難であったため、さらに、基本的な測定法を確立する上で検討すべき条件が多く存在するため。
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今後の研究の推進方策 |
環境要因の変動、具体的には環境温度や動脈内酸素分圧に対する生理的変動が手のふるえの大きさ特に周波数解析結果に及ぼす影響を検討する。また指背だけでなく同時に複数の箇所に振動センサーを貼付して1Hz以下のふるえを比較することでこの帯域のふるえの解析を進める。 時間分解能を上げた単純反応時間測定法によって、飲酒の影響が検出できるかを検討する。また、刺激提示法を変えて選択反応時間測定を行ない結果を比較する。 重金属等に曝露された集団について影響が検討できるよう準備を行なう。
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