研究課題/領域番号 |
25460743
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米田 隆 金沢大学, 医学系, 特任准教授 (60313649)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地域医療 / 糖尿病 / 携帯機器 / 在宅医療 / 遠隔診療 |
研究実績の概要 |
平成22年度から行われている糖尿病患者に携帯機器を用いた在宅サービス(携帯上で、毎日の体重、運動量(歩数)、血圧等のデータを送信してもらい、逆に生活指導をした)を用い、前向きオープン無作為比較試験を継続し平成26年10月で一旦終了した。64例の登録症例でクロスオーバー試験であり、在宅サービス介入群 64例、非介入群 64例で解析を行った。体重は介入群で2.8kg減少、非介入群で1.6kg増加、空腹時血糖は介入群で12mg/dl低下、非介入群で8mg/dl増加した。HbA1Cは介入群で1.8%減少、非介入群で0.8%増加、収縮期血圧は、介入群で10mHg低下、非介入群で3mmHg増加した。LDLコレステロール値は介入群で22mg/dl低下、非介入群で8mg/dlの増加であった。介入群では平均1.5剤の薬剤減量が可能であった。合併症の進行に関しては、脳卒中、心筋梗塞などのイベントは両群に認めなかったが、尿中アルブミン値は正常範囲内ではあるが、非介入群で15%の増加を認めた。 携帯機器の高性能化に伴い、新たな携帯機器機能を用いた在宅サービスの構築にとりかかった。これまでのサービスでは映像機能がなく、また、測定した体重、血圧、血糖値などのデータを患者さん自身が打ち込む作業が必要であったが、Bluetooth機能などを用い、株式会社Accessのテレビ会議用システムを改良し作成した。本システムは将来的に遠隔診療用デバイスとして用いることを想定し、平成26年11月25日より改正された薬事法(薬機法)に対応して作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
一応、目的とした心血管合併症の進行に関しては、軽度の腎症進展に、本在宅サービスが予防効果を持つ可能性が示された。ただ、脳卒中や心筋梗塞などの重大な心血管系イベントの予防効果証明には、多施設共同研究およびさらなる長期の研究活動が必要と思われる。 現代に対応した、映像やBluetooth機能を盛り込んだより先進的な在宅サービスシステムを構築した。本システムによる在宅医療サービスの継続が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
像やBluetooth機能を盛り込んだより先進的な在宅サービスシステムを構築したことにより、この新しい在宅サービスの特許取得可能かの検討や多施設共同研究の実施を予定。 現在の政府の地方創生政策に絡め、その応用の検討のため厚労省訪問など予定。また、国内外の薬事承認を目指し、PMDAでの面談や非臨床試験や臨床試験(治験)の準備、検討をする
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次年度使用額が生じた理由 |
必要物品の年度内の納入が間に合わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
可能ならば、次年度に本年度購入であった物品の購入を予定
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