研究課題/領域番号 |
25460748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上嶋 健治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40213334)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高血圧 / 観察研究 / アンジオテンシン受容体拮抗薬 / カルシウム拮抗薬 |
研究概要 |
CASE-J10試験の目的は、心血管イベントの発生を指標として前向きに観察した大規模臨床研究CASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan)とCASE-J Ex(Extension)試験をもとに、2013年末まで追跡期間を10年超に延長した観察研究を実施することにより、合併症を有する日本人のハイリスク高血圧患者の至適降圧目標値を明らかにするとともに、従来のCASE-J、CASE-J Ex試験結果との比較のため、登録割付された全症例をintention-to-treatの原則にもとづいて、割付け通りに心血管イベント発生率を両薬剤群間での比較も併せて実施し、カンデサルタン群とアムロジピン群との比較解析も行うものである。 平成25年度は、研究組織を立ち上げてプロトコルを作成し、試験用パソコンを購入するとともに、参加医師への謝礼に関する図書カードの提供システムなどを構築した。また、平成25年12月11日には京都大学医学部附属病院および京都大学大学院医学研究科の倫理審査の承認を受けて(E-1948)、平成26年から症例登録を開始し、平成26年1月31日に、第1例目の症例登録を受け付けた。登録患者データについては直ちにデータベース化し、適宜クエリの発行を行っている。 また、同時にCASE-J、CASE-J Ex試験の経過の中で、また医師側の理由(閉院・死亡など)で追跡不能が明らかとなった患者を除外すると、追跡可能症例は3317名、参加可能医師は429名であることが判明した。平成26年4月16日現在、CASE-J10試験に参加協力を頂いた医師は117名で、登録患者数は795例である。また、イベント発生は157件認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度には、研究組織の立ち上げとプロトコル作成および倫理審査の承認、さらにはパソコン・通信などのデータ収集システムと参加医師への謝礼(図書カード)の支払いシステムの構築を予定していたが、このすべてを達成することができた。さらには、平成26年度の事業計画でもあった症例登録も、一部前倒しで実施することができた。 しかし、当初参加医師200名以上、3000例を目標に症例を確保する予定であったが、現時点では参加医師117名、登録症例795例、イベント157件にとどまっていることも勘案し、おおむね順調な進展と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降は、さらなる調査票の回収に当たり、回収に難渋する場合は参加施設へ訪問して回収することも視野に入れる。CASE-J参加医師の全員からCASE-J10への参加協力を頂けるとは考えていなかったが、現時点での117名は当初の予定を若干下回るものであり、調査票回収には漏れの無いように努めたい。回収後は、集計データのクリーニングとデータ固定の後に解析処理に入る。 具体的方法として、全登録症例を降圧治療下の高血圧患者集団とみなして、心血管イベント発症と到達血圧レベルから検討する。すなわち、経過観察期間中の最終血圧値を到達血圧と評価し、心血管イベントの発現がある場合には、イベント発症直前の値を到達血圧と評価して、至適血圧レベルを求める。また、従来のCASE-J、CASE-J Ex試験との比較のため、カンデサルタン群とアムロジピン群との比較解析も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初200名の医師、3000例も症例登録を目標にしていたが、現時点で参加医師117名、登録症例数795例にとどまっており、参加医師への図書カードなどの支払いが当初予想よりも少なくなった。 さらなる症例登録の推進と調査票の回収に当たり、回収に難渋する場合は参加施設へ訪問して回収することも視野に入れる。回収後は、集計データのクリーニングとデータ固定の後に解析処理に入る。 国内外での本研究に関わる情報収集と研究成果報告も視野に入れる。
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