研究課題
本研究は、行動経済学を健康増進・疾病予防に応用するための基礎研究として、(1)欧米での行動経済学研究の知見は日本人にもあてはまるか、(2)行動経済学理論に基づくプログラムは、通常のものよりも効果があるか、(3)行動経済学に基づく意思決定は社会経済的要因等の個人属性により異なるか、を明らかにすることを目的とした。平成25年度:山口県に在住する30~59歳の1200人を対象にした郵送調査の解析を行い、健康メッセージの効果の認識が、年齢、性別、ならびに社会経済的要因によって異なることが明らかになった。また、好みの食べ物は年齢と性別とは関係したが、社会経済的要因との関連はほとんどなかった。平成26年度:日本人を対象にした行動経済学の実証研究として、(1)野菜の絵入り皿は野菜摂取を促進するか、(2)ブッフェスタイルの食事で、食べ物の順番は摂取量に影響するか、(3)特定保健用食品(トクホ)は、食事摂取量に影響するか、を検証する実験研究を行った。平成27年度:平成25、26年度の研究成果について、学会発表ならびに論文発表を行った。行動経済学的介入研究の準備としての先行研究のレビューを行うとともに、介入実証研究についての研究デザインを行った。平成28年度:大学の学食を研究の場として、主に大学生の健康的な食行動および食物・栄養摂取に向けた効果的な取組を検討した。具体的には、日本人で摂取量の不足が指摘されている野菜の摂取量を増やすため、学生食堂で、(1)魅力的な野菜メニューの追加、(2)ポップの利用、(3)くじの利用の3つの介入を実施し、これらが野菜の量を増やすのに効果があるかをRE-AIMモデルの枠組みに沿って分析を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Geriatrics & Gerontology International
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